【寄稿】ミニバス北信越V黒部グリフィンズの軌跡

2016年1月10日

100106_01.jpg昨年12月に行われた北信越ミニバスケットボール大会で男子県代表の黒部グリフィンズが初優勝しました。コーチの牧野さんから栄冠までの歩みを振り返るレポートが届きました。


<グリフィンズの発足>

平成2年(1990年)4月に黒部市では男子初のミニバススポーツ少年団として発足した。

黒部ベアーズの名称で活動を開始し、平成4年に黒部ミニバスグリフィンズに改名した。

グリフィンズのチーム名の由来は、黒部市に日鉱三日市製錬所(現・JX金属三日市リサイクル株式会社)があり、日本男子リーグのトップチームであった日鉱グリフィンズがバスケットの指導に来られたことがきっかけで、サブネームをいただいた(グリフィン=不死鳥・ライオン等があわさった不死身の架空動物)。


発足当時は、『スラムダンク』の影響もあってバスケット人気が高く部員40人以上いる中で、週1回の練習を行っていた。

チームの状況は、大会へ出場しても、県内の強豪チームに100点ゲームで負けるなど散々であった。

その悔しさをバネに、週1回の練習から週2回、3回へと増やしていき、平成8年には富山県2位となり、初の北信越大会出場を果たした。

その後も平成10年、25年にも富山県2位代表として北信越大会へ出場したが、いずれも予選リーグで敗退した。


<今季100勝5敗。県1位で北信越へ>

今年のメンバーは、身長の高い選手はいないが、平成25年の北信越大会を経験した選手もおり、また運動能力が高い選手が集まっていた。

昨年2月の石川県の野々市新人戦を皮切りに福井県、長野県、新潟県などで開催された様々なカップ戦に参加し、実戦経験を積んだ。

今年1月までの成績は105試合中100勝5敗である。

5敗のうち2敗の対戦相手は新潟県の強豪・松浜ワイルドキャッツである。

松浜は、8月の東北電力ミニバス大会・埼玉志木カップを優勝しており、全国大会優勝候補である。

松浜と対戦したのは4月に福井県で開催された坂井カップと8月の黒部カップ。いずれも接戦であったが敗れた。

チームの目標がいつしか、松浜に勝ち北信越大会で優勝することになっていた。


11月に北信越大会出場兼富山県秋季ミニバスケットボール大会が行われた。県内でのライバルは芳野である。黒部、芳野ともに順当に勝ち上がり決勝でぶつかった。

序盤から黒部が優勢に試合の主導権を握り、後半に入っても逆転されることなく7点差で初優勝を飾った。

黒部ミニバスグリフィンズとしては、初優勝であり富山代表1位での北信越大会出場が決まった。

 

100106_03.jpg<関東遠征で自信>

北信越大会で松浜に勝つための練習を繰り返し、12月5日から群馬・栃木遠征を行った。関東大会優勝の光華ミニバスとの試合を行い勝利した。また群馬1位の高崎北部、千葉3位のブラックローズ、栃木3位の峰ミニバスなどとも試合をして、いずれも勝った。このことが子供たちの自信となったと思われる。


北信越大会に向けて12月25日に黒部を出発し、会場の新潟県柏崎市へ向かった。大会は26日からではあったが、体調や天候のことも考えて前日入りした。

いよいよ第35回北信越ミニバスケットボール大会が始まった。男女とも各県代表2チームと開催県4チームの全12チームが参加した。


26日が予選リーグ、27日が各予選リーグ1位による決勝トーナメント並びに交流戦である。

黒部の初戦は長野1位の長野湯谷との対戦であった。

前半は、初戦からか緊張によりシュートが入らず、一進一退の攻防となり前半を終わって14-16と2点のビハインド。

後半になって徐々にペースをつかみ逆転し、一時は10点差をつけた。その後、長野1位であるプライドと底力を見せられ厳しい展開となったが、辛くも1100106_02.jpg点差で勝利した。

 

続く、2戦目は新潟3位代表で、地元の槇原と対戦した。

初戦の緊張も取れ、前半から黒部のペースとなり後半もそのままの勢いで勝利した。

北信越大会4回目にして初の決勝トーナメント進出となった。


<チーム一丸、逆転でV>

決勝トーナメント初戦は、今年の5敗のうちの1敗を喫している強豪の七尾ブルドックである。

1クォーターでは、エースでキャプテンの上島が実力を発揮し、大きくリードした。しかし2クォーターになって七尾の粘り強100106_05.jpgいディフェンスに苦戦し、1クォーターのリードを守れず前半を終わって18-21とリードを許した。

後半に入って、一進一退の攻防が続き1つのミスが勝敗を左右する状況となったが、相手のミスを誘い39-35で辛くも勝利した。

 

決勝の相手は、松浜ではなく石川1位の木曳野となった。松浜は木曳野に準決勝で敗れた。

木曳野には2回練習試合等をしており、すべて勝利している。

しかし、前半は木曳野の175㎝のプレーヤーに苦戦し17-11のビハインドで折り返した。

後半に入っても相手ペースで試合が進み、一時は10点差をつけられる状況となった。

100106_04.jpgまた、エース上島が相手の足に引っかかり負傷し絶体絶命の状況となった。

しかし、上島の負傷にチームの闘志に火がついた。

他の4人が必死にディフェンスを頑張り、ベンチにいる選手も大声をかけた。

4クォーター中盤で逆転し、終わってみれば37-31で逆転勝利。初優勝を飾った。


<目標高く挑戦>

1月16日から全国大会出場予選兼富山県春季ミニバスケットボール大会が開催される。

初の全国大会出場をめざし厳しい練習をしている。選手も指導者も応援していただいている保護者・関係者も全国大会出場が目標ではなく、いつの間にか「全国優勝」になっている。

100106_06.jpg田舎の小さなまちのチームがどこまでいけるのか挑戦してみようと思う。