飛び込み大会、英語でアナウンス

国際舞台への準備はバッチリ?

2015年2月21日

 水泳・飛び込み競技で富山県の国体チーム監督を務める坂田芳寛さんから「大会で新しい試みをするので見に来てほしい」との情報をいただいた。21、22日と2日間、富山市の県総合体育センターで行われている第13回富山室内オープン、そこで選手のコールを英語で行うという。その意図はズバリ「国際大会への対策」。将来、五輪などの大会に羽ばたく若い選手の舞台度胸を養うためだ。

 坂田さん、現役時代は日本選手権の優勝、国際大会の出場など輝かしいキャリアの持ち主であり、現在は富山県内で後進の育成に当たっている。富山国際大付属高校の英語教諭という職務から、スポーツのみならずあらゆる場において英語による自己表現や理解のスキルを指導する立場にある。

 飛び込み競技は、演技を行う前に名前と所属、これから行う技の種類がコールされる。技については、正確かどうかを聞き取り、事前に申請した内容と異なっていればすぐに審判長へ申告せねばならない。もし別の技を実施してしまえば、得点はゼロとなる。国際大会では当然、英語でコールされるため、「リスニング力」が問われる。

 実際、日本人選手が国際大会でコールを聞き取れず、間違った演技をしてしまったケースがあるそうだ。緊張していて英語が耳に残らないこともあるだろう。「せっかく出場した舞台で、演技以前に英語で失敗してはいけない。今のうちに慣れてほしい」。坂田さんの親心による英語コールの実施というわけである。

 実際、会場で英語が流れると、選手がカッコよく見える。気持ちが「アガル」感じがする。近年ではテニスの錦織圭、フィギュアスケートの羽生結弦らが英語で海外メディアのインタビューに答え、日本のテレビ局が字幕を付ける時代になった。富山の若い選手も、競技力はもちろん英語も磨かれれば、かなりカッコいい。