1部参入へ最後まで努力/グラウジーズ

 来年秋に始まるバスケットボール新リーグで1部入りを目指している富山グラウジーズに対するヒアリングが7日に都内で行われました。出席したグラウジーズの黒田祐社長が同日会見し、リーグ側から「1部入りのボーダーラインにいる」と伝えられたことを明らかにしました。

 最終発表は今月29日。21日の会合で絞り込みが行われる予定で、グラウジーズはスポンサーからの支援確約書を集めて提出するなど前日の20日まで1部参入のための努力を続けます。

 新リーグを運営するジャパンプロフェッショナルバスケットボールリーグ(JPNL)が7月30日に発表した1~3部の振り分けで1部はまず12クラブが決定。残る4~6つの参入クラブがグラウジーズを含む15の中から選ばれます。

 1部参入の基準として、より良い興行を行うためのハード面としての「5000人以上を収容できるホームアリーナの確保」、財政基盤を測る指標としての「年間売上2億5000万円以上」が示されており、グラウジーズはクリアを目指してきました。

 グラウジーズはホームアリーナとして使用予定の富山市総合体育館について「全国で三指に入る」との高評価を得ています。

 課題の財政面については、当初の事業計画で売上を含む事業規模を2億7,500万円としていましたが、3億1,500万円に見直して再提出。今回のヒアリングで、リーグ側から「この計画なら売上2億5000万円はクリアできるだろう」との言質をえたそうです。

 ブースタークラブの会員数が目標の5000人を超えて6000人以上集まっており、事業計画のうえでも会費収入を上方修正できたとのこと。黒田社長は「ブースタークラブへの入会という県民のみなさん一人ひとりの御協力が再提出した事業計画にも反映されている」と話しました。また、スクールやダンス、県外試合への応援ツアーなどの各事業をさらに精査するなどして事業収入の売上見込みを増額したそうです。

 黒田社長によると、財政面の条件がほぼクリアされたことで、今後は同じように条件をクリアしたいくつかのクラブとの比較で1部に参入できるかどうかが決まります。黒田社長は「ブースタークラブの会員数はライバルとなるクラブを上回れるように今後も御協力をお願いしたい。県民のみなさんの後押しはもちろん、我々球団としての情熱が試されていると思って最後まで努力する」と話していました。

 今回の黒田社長の会見は富山駅で行われました。都内でのヒアリングから新幹線で戻ってすぐに報道陣に対応したかたち。汗をにじませながらスーツの上着に袖を通してカメラの前に立ち、丁寧に記者たちの質問に答えていました。報道陣からの要望もあったにせよ、ブースタークラブへの入会をはじめとする県民の協力と関心に対し、なるべく早く現状を報告しなければならないという思いが伝わってきました。