カターレが新シーズンへ始動

2015年1月15日

 カターレ富山は15日、新シーズンの体制を発表する記者会見を行った。同日、富山県総合運動公園屋内グラウンドで初練習を実施し、3月15日のJ3開幕に向けて始動した。

 会見の内容を以下に詳報する。

<カターレ富山、2015年シーズン新体制・新加入選手発表記者会見>

●酒井英治社長あいさつ

 カターレ富山のトップチームの新体制が固まり、このメンバーで2015年シーズンを戦う。90分間、一体となって全力で走り、攻守ともにアグレッシブに戦うスタイルを貫き、なんとしても今年1年でJ2復帰を果たしたい。

 2015年のクラブスローガンは「邁進~ONE SPIRIT~」。邁進には、目標に向けて迷いなく全力で突き進むとの意味がある。二文字に使われているしんにょうにも本来は道を歩く、進むとの意があるという。そこに我々の今年の目標であるJ2のイメージを重ねている。ワン・スピリットは「心ひとつ」にだが、同じ意味のワン・ハートよりも、もっと奥からの強い気持ち、意志を表すためにスピリットを採用した。

 チーム、フロントスタッフ、サポーターのみなさんをはじめカターレ富山を支えていただいている多く人と心をひとつにして目標であるJ2昇格に向かっていきたい。県民のみなさんに感動と元気、子供たちに夢と希望を与えられるように全力で戦う。スタジアムに来場し、一緒に戦っていただけるようにお願い申し上げる。

●澤入重雄ゼネラルマネジャーあいさつ

 選手は昨年在籍した16人と契約を更新した。悔しい思いを胸に、それをはね返せるように頑張ってほしい。期限付き移籍していた吉井、村松、山本は戻って今季はカターレで頑張ってもらう。新加入は6人(中田は学校の都合で会見は欠席)。大事な戦力として迎え入れた。現時点では以上の25人でスタートする。御厨とは現在交渉中だが、今日からトレーニングには参加する。

●岸野靖之監督あいさつ。

 今日から新しいスタート、トレーニングが始まる。まだ顔と名前が一致しない選手もいるのが正直なところで、ましてやプレーのところがしっかり把握できていない。これをしっかり見極めて、適材適所でやり、戦えるチーム、戦って勝てるチームをつくっていきたい。自分のスタイルは、必死になって、それが見ている人、対戦相手にも伝わるような試合をすること。1年戦っていく中にはいろんなことがあると思うが、みなさんのご助力をいただきながら、最後には笑えるように、カターレ富山が目指すものをつかみたい。

◇新加入選手あいさつ

●GK江角浩司選手(大宮より移籍)

 この場をかり、選手としてプレーする場をいただいたカターレ富山に感謝を申し上げたい。ありがとうございます。自身初めてJ3で戦うことになるが、これまでの経験を生かしカターレに還元できるようにしたい。J2復帰し、さらに上を目指すための原動力になれるよう、全身全霊を尽くして戦っていく。

●DF日高拓磨選手(札幌より移籍)

 J3で優勝するために来た。そのためには選手、スタッフ、サポーター、全員の力が必要。全員で力を合わせて昇格しましょう。

●FW中西倫也選手(桃山学院大より加入)

1年でJ2復帰できるように努力する。応援をよろしくお願いします。

●GK永井堅梧選手(松本より移籍)

 1年でJ2に昇格できるよう、貢献できるように精いっぱい頑張る。

●MF馬渡隼暉選手(カターレ富山U-18より加入)

 カターレユースから初の加入でありプレッシャーは感じる。サッカー、私生活含めて人として成長していけるように頑張る。

●MF中田貴大選手(新潟医療福祉大より加入)は大学の講義があり欠席。

◇質疑応答

Q:どんなサッカーを目指すのか。現時点での構想はあるか。

●岸野監督

 もちろん自分の理想はあるが、それができるかどうか今は分からない。ボールをつなぎ大事にしていても勝てるわけではなく、ゴールを奪う必要がある。ゴールを奪う、ゴールを奪われないというのがサッカーのスポーツとしての本来のところ。ゴール前のシーンを数多くつくりたい。そうするにはいろんな要素がいる。

 ハードワークと簡単に言う。確かにハードワークは当たり前に大事なのだが、それがこのチームにあるかどうか。なければつくらなければならない。今のサッカーで走れないチームが勝つなんてあり得ない。走れるのは大前提。誰もが「走り負けない」と言えるチームになれば少しは変われる。理想を言ってもほとんどうまくいかないのがサッカーの世界。うまくいくためにはベースがいるので、そのベースをしっかりつくりたい。

Q:今日からのトレーニングメニューについてどう考えているのか

●岸野監督

 今日からの3日間は体を起こす。けがなく大事にしなければいけない部分もあるので。体の隅々まで刺激して目覚めさせる。休みを挟んで来週は1年間こうやっていくということを伝えていきたい。フィジカル、戦術的なことを少しずつ伝えながらチームとしての共通理解をつくっていきたい。今日は、選手たちがこのオフをどう過ごしてきたのか、また、性格とかをみていけたらよいと思っている。今日は大事な1日にしたいが、今日だけですべて詰め込むこともできない。けがをせず、目いっぱいやってほしい。

Q:新加入の各選手に質問。選手としてのセールスポイント、自身の性格を教えてほしい。

●江角選手

 身長が高く迫力あるプレーができる。プレーすべてに自信をもってやっている。この年齢だが若干は伸びしろもあると思う。(岸野監督から『若干じゃないだろ』とツッコまれて苦笑い。)可能性は無限だ。気持ち次第で、自分も、チームも必ず変われると思う。性格はとても頑固。妻からもよく言われるので、相当の頑固者だと思う。でも几帳面な、まめな部分もあります。

●日高選手

 運動量やスピード、サイドからの攻撃がセールスポイント。攻め上がった時にはクロスや得点を奪う決定的な仕事もできる。今年32歳になるが、(36歳の)江角さんより伸びしろはあると思う(笑い)。年齢的にもまだまだ成長できると思っている。自分の性格はよく分からないですが、穏やかということでしょうか。

●中西選手

 スピードとジャンプ力は人よりもひとつ抜けていると思っている。五分の競り合いや、裏へのボールをすべて拾って得点につなげていくのが売り。22歳ですが、もう若いとは言えないと思っている。一戦一戦が勝負だと思ってやる。(苦笑する隣の日高、江角を気にして)高校から入るもっと若い選手もいるので…。性格はマイペース。のん気だと周りからは言われる。みなさんをいらいらさせないようにやっていきたい。

●永井選手

 フィードには自信がある。後ろから攻撃の起点になりたい。自分の性格は明るいほう。徐々にみなさんに伝わっていけばよいと思っている。

●馬渡選手

 ゴール前でなにができるかを常に考えている。ラストパスやシュート、毎試合得点に絡むプレーを意識し、ゴールを目指してやっていきたい。

Q:日高選手は鳥栖時代に岸野監督とともに戦った。

●日高選手

 岸野さんのサッカーは先ほど自身で言われた通りで、それを続けてこられて、熱いところも変わっていないと思った。鳥栖時代に厳しいトレーニングをしてもらい、僕自身が成長できて今がある。ここまでサッカーができている。まだまだ成長したい。

Q:永井選手は昨季J3で出場経験がある。どんな印象を持っているか。

●永井選手

 U-22選抜の一員として8試合に出場した。チームの特徴がそれぞれ異なり、セットプレーで勝負が決まることも多かった。開始直後とラストに試合が動くことが多かったイメージがある。どのチームも厳しい相手だが、富山なら1年で昇格できると思う。全員が勝利に向かって一生懸命にチームのためにプレーしたら勝てる。そこを大事にすればJ2昇格は近いと思う。

Q:馬渡選手には地元の期待も大きい。あらためて意気込みを聞かせてほしい。

●馬渡選手

 1年目だからと甘えていてはいけないと思う。開幕スタメンを目指して日々頑張っていきたい。ユースのころからずっと見てきて憧れていた舞台なので喜びはある。そこに立つチャンスがあるので、みんなの期待に応えられるようにやっていきたい。トップチームの選手みんなを尊敬しているが、中でも木本選手が毎日の練習に必死になって取り組んでいる姿が印象に残っている。

Q:澤入ゼネラルマネジャーに獲得した選手のどこに期待しているのか聞きたい。

●澤入GM

 江角は経験と迫力が魅力。チームに喝を入れてくれるだろう。若手も彼の話をしっかり聞くのではないか。ほかの選手に対する影響力、ゲーム・トレーニングにおける影響力に期待している。日高は岸野監督と鳥栖時代に一緒にやっている。言葉の意味を理解し、姿で示してくれると、ほかの選手にも好影響が及ぶ。もちろんサイドでのプレーに期待している。

 中西にはセンターフォワードとしての高さとスピードがある。新人だが即戦力として期待している。永井はGKの中で一番若い。36歳の江角、29歳の飯田、20歳の永井とよいバランスでそろった。はやく2人を脅かす存在に成長して競争してほしい。GKは3人しかいない。チーム内で競争し、ゲームでは誰かが責任をもってやらなければいけない。

 馬渡はユースからトップに昇格する第一号。夏までは即戦力とはいかないと思うが、よい意味で裏切ってほしい。チームとして彼をはやく一人前に育て、ピッチに送り出すことが彼の後に続くユースの選手たちにも影響を与える。彼がくじけそうになっても、呼び起こして絶対にピッチに立たせたいと思う。中田は(大学の地区選抜が競う)デンソーカップでプレーしているところを見ている。1人で局面を打開できる選手なので期待している。

 編成についてひと言付け加えさせてほしい。このメンバーでスタートするが、1年かけてもんでいきたいと考えている。3月まで考えていきたい。監督をはじめ現場スタッフと話をしながら、J2に復帰できる編成を押し進めていきたい。センターフォワードは今後も獲得を考えているので楽しみにしておいてほしい。

 その次は、まずはきちっと戦力分析を進めたい。できるだけ早く分析して次になにをすべきか考えたい。(J2復帰へ戦力が)十分ならこのメンバーでいくし、不十分なら補強していくことになる。

以上