フットサルの魅力もっと広めたい

高校生のフットサルリーグ開催。サッカーの技術向上にも活用

2015年11月22日

 富山県U-18フットサルリーグプレリーグが12月20日から来年2月11日まで、8チームが参加して開かれる。高校生年代へのフットサル普及を目指して昨年に創設された。実行委員会代表の草俊光さんは「フットサルはサッカー選手の育成にも有効です。大会を盛り上げて、フットサルの魅力と競技特性を県内にも広めていきたい」と話している。

 プレリーグ初回の昨年は5チームが参加。今回は予定していた8チームの参加枠が埋まり、高校サッカー部主体の不二越工、砺波、砺波工、南砺福野、福岡、八尾、高岡南と、クラブチームのアレスグーテ砺波U-18が出場する。
 また、このプレリーグで活躍した選手で県選抜をつくり、ユース選抜フットサルトーナメントに出場する。前年は北信越予選を勝ち抜き全国大会に出場している。

■駆け引きが進化
 DOスポーツとして愛好家を増やしているフットサルだが、高校生の競技人口は多くない。子どもたちの大半は高校まではサッカーに打ち込み、フットサルに本格的に取り組む機会は少ない。小・中学生年代では冬の室内トレーニングに採り入れるチームがあるが、高校では他部との兼ね合いでサッカー部が体育館を使えないケースが多いのも一因だという。
 草さんは「フットサルはサッカーに生かせる技術や判断力などを養える。高校でもトレーニングの一環としてフットサルを採り入れるチームが増えてほしい」と考えている。

 フットサルはハンドボールと同程度の広さのコートを使い5対5で競う。サッカーに置き換えて考えてみると、かなりの密集戦だ。より正確にボールを扱いパスを通すテクニック、素早い状況判断が求められることは想像できる。ほぼすべての局面が全員攻撃・全員守備であり、攻守の切り替えスピードも必要だろう。
 草さんによると、「いろんなことをやらないとゴールは奪えない」ため、チームとして個人としての戦術、かけ引きが発達している。例えばシュート。そもそもフットサルはゴール自体が小さいので得点を奪うにはひと工夫がいる。サッカーW杯などでブラジルの選手がトゥキックでGKのタイミングを外したシュートを決め、フットサル仕込みの技として話題になることがあるが、サッカーにも技術を生かせるという一例だ。

 草さんは参考資料として次のウエブ上の記事を紹介している。
 ◇フットサルは緻密なスポーツ…(Jスポーツ)/後藤健生氏
http://www.jsports.co.jp/pre…/article/N2015102215345402.html
http://ameblo.jp/skaneko7/entry-12088901370.html

◇マイボ!
http://myball.jp/articles/34

■サッカー指導者も注目
 サッカーのジュニア選手の育成にフットサルが有効なことは広まりつつあるようで、草さんが運営するジュニアフットサルクラブ「アレスグーテ砺波」にも最近、県内の強豪高校のサッカー部員が鍛錬のために自ら通ってくるという。
 カターレ富山の戦うJ3では、優勝を争っている山口のMF小塚和季選手がフットサル経験のあるテクニシャンとして注目されている。彼が中学時代に所属した新潟・長岡ジュニアユースは育成の一環としてフットサルにかなり力を入れているそうだ。

 「フットサルは単なる室内サッカーではありません」と草さん。サッカーから派生した競技ではあるが、今ではサッカーに逆輸入できるまでに独自の進化を遂げていると考えている。「サッカーに生かすためにも、本格的に競技にふれて学んでみてほしい。今回のリーグを通じて選手たちにフットサルの魅力を知ってもらうとともに、サッカー指導者の方にもフットサルに関心をもってもらえたらうれしいです」と話している。

 同リーグ実行委員会では、今大会を継続しながらいずれ“プレ”を外して主要大会に育てていく方針。参加選手に良いよりプレー環境を提供したいと考え、今月からクラウドファンディングで運営資金などの協力を呼び掛けている。
(赤壁記)

◇クラウドファンディング「READY FOR?」
 /フットサルを盛り上げよう!高校生のフットサルリーグ開催
https://readyfor.jp/projects/U-18futsal