高校ラグビー 魚津工32年ぶり優勝
年末年始に行われる高校生の全国大会を目指す各競技の県予選が相次いで大詰めを迎えています。
3日はラグビーで魚津工が32年ぶりの優勝を果たして花園への切符をつかみ、駅伝では男女とも富山商が制して都大路での全国大会に進みました。
【高校ラグビー県大会決勝】(3日・岩瀬スポーツ公園)
■古豪復活支えた地域の力
全国高校ラグビーの県大会決勝は魚津工が27-21(前半12-14)で富山第一を下して昭和58年(1983)以来32年ぶり9度目の優勝を果たしました。全国大会への出場は35年ぶり2度目になります。小西貫太キャプテンは「みんなが気持ちをひとつにして、集中を切らさずに戦えた」と話しました。
魚津工の山田浩史監督が「地域のみなさんに育ててもらったチームであり、喜びを分かち合いたい。選手たちにはその方たちのためにも花園で良いプレーしてほしい」と何度も繰り返していたのが印象的でした。
魚津市は古くからラグビーが盛んで、市ラグビー協会は昭和23年(1948)の設立。過去2度の富山国体で競技会場になり、東部中学と西部中学にはラグビー部があります。高校は魚津工だけでなく、魚津も昭和27年からの7連覇をはじめ9度優勝しています。
そんなラグビーの街に、強豪の富山工から山田監督が赴任したのが8年前。それからは市内のクラブチームでプレーするOBや市ラグビー協のメンバーら愛好家たちがグラウンドでの指導をはじめ、さまざまなかたちでサポートしてくれたそうです。最後までどっちに転ぶか分からない激戦を制した選手たちの姿と古豪の復活に地域の多くの人たちが胸を熱くしたことでしょう。
■観衆沸かせた好ファイト
追いつ追われつの好ゲームを演出したのは富山第一の奮闘でした。勝った魚津工の山田監督が「富一さんのディフェンスが良くて、うちのポイントゲッターが完全に抑えられた。春よりも成長していて気持ちも感じた。低いタックルと低いラックに苦しめられ、ハーフタイムには彼らを見習おうと選手たちに話した。勝てるという感触がなく、最後まで気が抜けなかった」と話したほど。後半17分、自陣ゴール前からつないで奪った逆転のトライは圧巻。6点を追う終了直前にも敵陣に攻め込み勝利への執念をみせました。
28歳の河合謙徳監督は試合を終えて選手たちに「よくやった。誇りに思う」と伝えたそうです。
「1年間やってきたことの集大成を示してくれました。半面で、もう少しで勝てなかったこともその結果と捉えなければいけません。ラグビーを通じて大人に成長してほしい、とい思って指導しています。最後まであきらめない姿勢がみえたし、負けた直後の表彰式でも全員が胸を張っていたのがうれしかった」と話していました。