【連載⑤】コートの中でも外でも徹底的に言い訳をなくす

失敗すると、誰でも言い訳の一つもしたくなる。すぐに「ゴメンナサイ」とは、なかなか言えない。言い訳を我慢できたとしても、「ムッとした顔」をしてしまうものだ。井城斎加さんは「言い訳はしてはいけない」という。その理由は、他者のためだけではなく、自分のためでもあるらしい。

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【井城斎加さんのバレーボール競技者としての経験をまとめた著書『常に今に全力を尽くせ』より抜粋】
・4つのものさし/その2 言い訳責任転嫁をしない
ひとはすぐ、自分に都合のいい言い訳をし、できないことやらないことを肯定しようとする。コートの中でも外でも徹底的に言い訳をなくすというのが鉄則。「〇〇だからできなかった」「エースが不調だから負けた」「トスが低かったから打てなかった」そう考えることで自分を納得させ、口に出さなくても体で言い訳をしていることがたくさんある。 負けそうになったりきつくなったりすると必死で言い訳を探す。

「言い訳は進歩の敵」。どんな状況でもやらなければいけないことはやるしかない。できないのは他の誰かや、何かが悪いのではなく自分の責任。 徹底的にそれを叩き込まれ、そうできない自分と戦い続けた日々だったように思います。

・その2の補足 矛盾にもたえる
「4つのものさし」のひとつ、「言い訳責任転嫁をしない=矛盾にも耐える」。この付け足しのような「矛盾にも耐える」が強烈に効いてきます。スポーツなんて矛盾だらけ。でも「それに耐えろ」と教えられているのだから、本当にどんな言い訳も許されない。勉強だったら、正しい答えをかけば〇。1+1なら2。
でもバレーボールはどんなにいいフォームでどんなにいいコースに最高のヒットでスパイクを打ったとしても、相手がファインプレーしてきたら決まらない。あたりそこないの一打でも決まれば1点。ライン上ならイン、5センチずれたらアウト。以前のルールでは、ネットすれすれならいいサーブ、ネットに少
しでも触れたらサーブミス。

 つじつまなんてあわないのが世の常!他のチームが「言い訳・責任転嫁」で済ませるところを「それに耐えて」それでもつきつめる、というところが強さであり厳しさだと思います。プレーヤー時代も、その後の人生でも、理不尽な場面を「矛盾にも耐える」精神で乗り切ったことが何度もあるような気がしま
す。

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《井城斎加さんの略歴》
 いいき・いつか 1981年長崎県五島市生まれ。小学3年からバレーボールを始め、九州文化学園高(長崎)時代は、2年時に全国高校総体と国体で2位、主将を務めた3年時は全国高校総体3位、ベスト6(優秀選手賞)に選ばれる。筑波大体育専門学群卒。結婚を機に富山市在住。2016年3月に著書『常に今に全力を尽くせ』(税込1,500円)を発刊。

・問い合わせ・著書の購入は井城さんまで。
メールアドレス:takashima5it@gmail.com
本の購入:http://mai1999.buyshop.jp/