【連載⑧(最終回)】井城さん「かつてのチームメイトや先輩に読んでもらえたら」

井城斎加さんがバレーボール競技者としての経験をまとめた著書『常に今に全力を尽くせ』の編集を担当したのは、NPO法人Tスポ富山のメンバーでもある小林永さんです。2人の出会いから1年4カ月、井城さんの思いは、少しずつ整理され、心の底から湧き出た言葉をまとめた一冊が完成しました。書き手の苦労、編集者の工夫について聞いてみました。

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――本を1冊書くということは、なかなか大変だったのではないでしょうか?
井城さん:原稿はすでにフェイスブック上で発信したものがありました。それを紙の本にするにあたり、いろいろ迷いましたね。(出版すると)決めたら早いと思っていたけれど、壁があった。一時期、停滞すたこともあったかな。しかし、今思えば、“熟成期間”だったと思います。

小林さん:最初に原稿を拝読し、「生々しさが、いい」と思いました。手を加えることなく、経験したことをダイレクトに書いてくれれば、いい本になると確信しましたよ。

――素敵な仕上がりですね。「常に今に全力を尽くせ」という言葉は、インパクトがあります。ほかにも貴重な教えがいっぱい詰まった本のようですね。
井城さん:タイトルは部訓をそのまま生かしました。表紙のイラストが気に入っています。赤、緑、山吹色、グレーのギンガムチェック。これは私が高校時代に着ていたユニホームの模様です。

小林さん:私にとっては「泣いてやっても10分、笑ってやっても10分」という言葉が印象深いです。仕事にも通じますよね。自分自身が毎日、業務の中で心掛けていることでもあります。

――どんな人に読んでもらいたいと思いますか?
小林さん:自分たちが体験したことのない次元のスポーツを頑張ってきたという井城さんの経験から、学ぶことは多いです。自分の子どもに読ませたいですね。

井城さん:かつてのチームメイトや先輩に読んでもらえたらと。私自身、高校時代の熱い思いを忘れそうになっていました。ぜひ、思い出してほしいです。指導者の皆さんの参考になればうれしいですね。バレーボールに関わっている人はもちろん、スポーツと無縁の方も、ぜひ手にとってご覧ください。

(構成・文・写真 若林朋子)

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《井城斎加さんの略歴》
 いいき・いつか 1981年長崎県五島市生まれ。小学3年からバレーボールを始め、九州文化学園高(長崎)時代は、2年時に全国高校総体と国体で2位、主将を務めた3年時は全国高校総体3位、ベスト6(優秀選手賞)に選ばれる。筑波大体育専門学群卒。結婚を機に富山市在住。2016年3月に著書『常に今に全力を尽くせ』(税込1,500円)を発刊。

・問い合わせ・著書の購入は井城さんまで。
メールアドレス:takashima5it@gmail.com
本の購入:http://mai1999.buyshop.jp/