高岡商が決勝進出/北信越秋季高校野球

 春の甲子園出場が有力に

2016年10月22日

 秋季北信越高校野球は10月22日、松本市野球場で準決勝があり、高岡商が8-6で日本文理(新潟)を下して23日の決勝に進んだ。

100149_01.jpg 来春、甲子園で行われるセンバツ大会の出場校は今大会の成績を参考にして決まる。北信越からは例年、決勝に進んだ2校が選ばれており、高岡商は2009年度の第82回大会以来7年ぶり5度目の出場が有力となった。

 高岡商は3回表までに0-5とリードされたが、その裏に久保優斗選手の右中間二塁打などで3点を返すと、5回に島村功記選手の2点タイムリーで同点とし扇谷悠汰選手の左中間二塁打で逆転した。

 6回に再び久保選手が右中間に2点二塁打を放って加点し8-5に。守っては先発した左腕の土合伸之輔投手が配球を変化球中心に切り替えて4回以降は1失点。そのまま完投して日本文理に反撃を許さなかった。

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【流れ引き寄せ集中打で大逆転】

 高岡商は相手の隙を突いてゲームの流れを引き寄せ、5点差を一気にひっくり返した。
 準々決勝で福井商を完封したエースの土合伸之輔投手が早々とつかまった。3回には日本文理に2点本塁打を含む5連打を浴び4点を失って0-5に。相手の打球の伸びは強烈で、優勝候補の力をまざまざと見せつけられた。

 しかしその裏の一死、土合がチーム初安打で出塁。次の9番・谷内遥紀右翼手への初球が死球となり好機が広がった。谷内は送りバントの構えをみせていただけに相手投手にとっては痛かった。このミスを突くかたちで二死二、三塁から久保優斗三塁手が右中間へ二塁打、続く島村功記一塁手も三遊間を破る適時打を放って計3点を奪い、息を吹き返す。
 直後の4回の守りを土合が打者三人で抑え、この裏表を潮目に流れが高岡商へと傾いた。
 土合は直球を痛打されたため大胆に配球を変更。遅い変化球を多投すると相手は凡打が増え、以降は6イニング1失点、被安打4、奪三振5で抑えた。

 8点差を追い付いた昨夏の甲子園の関東一戦をはじめ、近年の高岡商は集中打が持ち味。今回も勢いづくと止まらなかった。2点を追う5回は無死一塁、1番・中村昴央遊撃手の場面で吉田真監督は強攻を選択。「(反撃ムードの中で)相手に簡単にアウトを1つ与えたくない。アウトカウントが増えると打者にもプレッシャーがかかる。打順もよい」と考えたという。
 打球は遊ゴロで策ははまらなかったが、中村が俊足を飛ばして頭から一塁に滑り込み併殺を阻止。すると再び久保が二塁打で続き、島村の2点適時打で同点に追い付くと、扇谷悠汰左翼手の二塁打で一気に勝ち越した。

 3本の二塁打を放ち4打点2得点と活躍した久保は「相手投手の配球の傾向から直球を狙っていた。先に5点取られたことで緊張がとけ、リラックスして打てたのが良かったのかも」と笑み。吉田監督は「相手の投球が高めに浮いているのを感じて生徒たちが自ら狙い球を相談し合っていた。あきらめずによくやってくれた」と話した。

 一方の日本文理の大井道夫監督は「楽勝できるような展開だったのにもったいない。直球狙いの相手打線に直球を投げてしまうようではバッテリーがいけない」。序盤の大量点が勝負のあやとなり、両校の明暗が分かれた。

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